はじめに
こんにちは。国公立医学生さとです。はじめに言っておきたいのが私は暗記は得意ではありません。一部の例外を除いて人間の記憶力に大した差などありません。しかし、こう思っている人はいないでしょうか。東大生や医学生たちは一度見れば忘れない、特殊能力を持った人間の集まりなんだ。実際僕も「医学生は賢いからすぐわかるだろうけど~」などといわれることが多々あります。しかし全くそんなことはありません。私が中学生になって初めて英単語10個覚える、という課題では本当に覚えられず泣いてしまったのをよく覚えています。高校受験、大学受験で足を引っ張っていたのはいつも社会科でした。ですからこの記事を特に読んでいただきたいのは日本史、世界史で共通テスト満点を取りたい、英単語マスターになりたい、といった人というよりも、なんだか私ほかの人より全然覚えられない、単語帳がなかなか頭に入らない、といった80点以上を取りたいあなたです。
人間は覚えるのが苦手
暗記法の前に、知っていてほしいことがあります。まずこちらを見て下さい。

これはエビングハウスの忘却曲線といい、人がどれだけ忘れやすいのかをグラフ化したものです。これからわかることは
- 時間がたてば人は忘れる
- 時間がたてばたつほど復習に時間がかかる
- 復習の回数が増えると定着率が上がる
ということです。まず私が強調したいのは、人は忘れる、ということです。こいつ何当たり前のことを、と思うかもしれませんが、私に言わせればこれがわかっていない人が多い気がします。「私全然単語覚えられない、」「ああ、この前覚えたのに、、」と言っている人がよくいますが、これは自分の記憶力を過信しています。覚えられないのではなく忘れたのです。一つの知らない単語を見て2秒後何も見ずその単語を言えますよね。これは短期記憶にあたります。では1日後は?エビングハウスによると76%これを忘れます。意外と人間の記憶力は悲しいものです、1単語まともに覚えていない、、、ですから復習をまともにしていない人が一度見て定着しているなんてことはほとんどありえないのです。もう一度見たとしても全然足りません。人間は何度も何度も見て復習して脳がこれは大事なものと認識してようやく短期記憶だったものを長期記憶にすることができるのです。
したがってなかなか覚えられないのは人間として当たり前なのです。これを言ってしまうと脳筋ですが、覚えるまで覚える、これが正解です。忘れていたらそれは意味がなかったか、そんなことはなく復習することによってまた定着に近づいていきます。したがって忘れることを前提とした綿密な復習計画を立てることが重要になってきます。個人的には、忘れることを前提とすることで心も安定して勉強に集中できた気がします。
実際の勉強法
私が試した暗記法を紹介します。注意してほしいのは勉強法には正解はなく、また人それぞれ向き不向きがあると思います。参考程度にしていただけると幸いです。
①分類法
私はこの方法でマスターしたい単語帳を丸々1冊定着させることができました。
⑴まず、200単語。日本語を隠して英語を見て日本語が言えるかをテストします。(ここで大事なのは考えないこと。考えてる時点でダメ。知ってるか知らないか。)爆速でやりましょう。知ってる知らない、なんてすぐわかりますよね。ここで覚えなくていいです。あーそーゆー意味なんだーだけでいいです。とにかく、爆速。
⑵わかったものはそのままスルー。わからなかった英単語、考えてしまった英単語には何か記号を書いておいてください。私は音符マークをつけておきました。ここでは厳しくしてください。答えを見てわかった気になるのは最悪です。
⑶次に覚えていないもの(記号のついてるもの)を1周します。始めてやったのですから、覚えていないものばかりです。でもpeople, waterとか知ってたものはもうやる必要がありません。何となく見ていき1周したらまた日本語を隠してテスト。答えられなければまた記号を書き足してください。これを繰り返します。覚えるまで。
⑷空き時間に記号がついていない、または記号が少ししかついていないものをザーッとみていきます。いつもと違って覚えていたものばかりなのでスラスラ進んで気持ちいいです。ここでもし間違えてしまったらこれは悔しがりましょう。と同時にそれを見つけられてラッキーです。記号を書き加えておいてください。
ここで大事なのは覚えていないもの、覚えているもので階層化していることです。定着度の違うものを分けることで効率が上がります。私は全然覚えられない単語には5.6個の記号がついてしまい、楽譜が完成してしまいそうでした。でもそれだけ根気強くやると、しっかりと定着します。
②五感を刺激
我々がものを覚える時働いているのは脳です。その時に他の刺激も脳に入れてあげると効率よく覚えられると言われています。
- 視覚 写真や図を見ると覚えやすかったりしますよね
- 聴覚 替え歌やゴロにすると覚えやすいです。逆に耳から離れないCMソングとかありますよね
- 嗅覚 これは勉強に活かすのは難しいですが、においは記憶に密接にかかわっており、懐かしい香水の匂いで昔の恋人を思い出すとよく言われております。
これらから私がお勧めするのが音読です。夜寝る前記憶の定着によいというので私は教科書を音読して眠っていました。デジタルデバイスを寝る前に見ることも避けられ、睡眠の質が向上しました。音読は視覚と聴覚が同時に刺激できるだけでなく、能動的に読み進めていくことで定着にもってこいです。もっと刺激があれば覚えるのではと思い、音読中、足や頭をぺしぺししながらしていましたがそれは効果いまいちでした。
③意味を理解する
ただ丸暗記するのではなく、その背景の理由を知ると一気に覚えやすいです。
例えば、バソプレシン 体内の水分バランスを調節するホルモン
これを丸暗記していては医学は学べません。バソプレシンとは英語でvasopressinで、語源はvaso(血管)+press(圧迫する)であり、血管を収縮させることで抗利尿作用をもつホルモンなのであります。一見文章量は増えて覚えることが増えたように思いますが、頭の中は一気に整理され、覚えることは少なくなっています。このようにこれはなぜ?といった姿勢は遠回りのようにみえて一番身につく方法なのです。こんなところに勉強の面白さが隠れていたりするのかもしれないですね。
おわりに
ここまで長ったらしく書いてしまいましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。結局のところ暗記にはとてつもない努力は必要なのですが、それに少しの工夫でずいぶん楽になります。よろしければ今回の感想、他にお勧めの暗記法などあればぜひコメントしていただけると幸いです。
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